そんな気の子。

たけのこ、たけのこ。

新丸子のバッティングセンター

バッティングセンターに行きたい。野球の経験は体育ぐらいしかないが、カキーンと打ちたい。

 

日曜日の午後、新丸子のバッティングセンターに行った。入ってすぐの部屋ではテレビでソフトバンクの試合をやっていた。両替機に1000円を入れ、100円玉10枚に変換した。奥へと向かう。

 

バッターボックスの裏ではおじさんが椅子に座っていて、とてもフランクな言い方で「やり方わかる?」と聞いてきた。バッティングセンターのやり方なんてどこも同じだろうと思ったので、てきとうに「あ、はい、ありがとうございます。」と答えた。内心、このバッティングセンター特有のやり方があったらどうしようかと思ったが杞憂だった。

 

時速90kmのボックスがちょうど空いていた。100円玉を2枚入れる。映像などはなく、プリミティブなバネのアームがネットの奥からボールを飛ばしてくる。

 

何球かファウルしたのち、カキーンと音を立てて気持ちよく飛んだ。後ろのおじさんが「ええやん。ジャイアンツからすぐスカウトくるわ」と調子良く話してくる。僕は打ちながら「ベイスターズファンっす」と答える。

 

18球で終わり。おじさんが、「ほんとは阪神ファンとちゃうの?」と聞いてくる。僕の関西弁のイントネーションが引っかかったのだと察し、「あー、三重出身で関西弁なんすよ」と答えた。僕は関西弁を話す人の前でだけ関西弁に戻る。

 

「三重のどこ?」「桑名市です。はまぐりの。」「あー、北の方か。津に友だち2人おるわ。一人は芸人や」「え、芸人って誰ですか?」「忘れた。」どうでも良すぎるやりとりを経て、もう一回打席に入り、晴れやかな気分でお店を後にした。

 

バッティングセンターの2階はカフェでクラフトビールも飲めるようだ。多摩川を観ながらビールも飲めるなんて最高だ。しかしこの日はアルコールの気分じゃなかったので大人しく帰る。今度は野球とビールのコンボを決めたい。

 

結局あのおじさんはお店の人なのか、ただのアドバイスしたがりの常連なのか分からなかった。たぶん後者。というかどっちでもいい。