井上陽水とオレンジレンジの関係性
昼にフットサルをし、夕方に帰宅し銭湯に行った。
去年ぐらいまで銭湯というのは自宅にお風呂のない苦学生が行くものだと思っていたのだが、実際はそんなことはなく家にお風呂がある人でも全然行ってよいことに気づき、最近は暇を見つけては通っている。自宅から自転車で10分以内のところに銭湯が5、6軒あり、その日の気分によって行き先を決めている。
休日の夕方に銭湯に来ることはあまりなく、客層が違うなと思った。平日の仕事終わりの夕方に行くとおじいさんしかいないのだが、今日はほとんどが親子連れや若い人たちであった。たぶんみんな自宅に風呂があるのに来ている。何なら近所のタワマンに住んでいて1620サイズの広い風呂を持っているかもしれない。うちは1418だ。
「サウナのリラックス効果って医学的にも証明されているんですよ。」会社の同僚からその話を聞いたのは5日ほど前だ。なんでも、サウナは熱いのでそれを我慢するために脳のリソースが使われて、自動的に頭の中が空っぽになるらしい。
サウナでは井上陽水が流れていた。氷の世界という名曲だ。
今年の寒さは記録的なもの こごえてしまうよ
まさに今にピッタリな曲である。
この曲はずっとサビみたいな曲だ。私はこういうずっとサビみたいな曲が大好物である。
J-Popの定番といえば
Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→大サビ
であるが、私が好きな構成は、基本的にずっとサビでたまに4~8小節ぐらいのCメロが入ったりソロが入ったりする曲だ。斉藤和義の「歩いて帰ろう」やウルフルズの「ええねん」も該当する。
ところで、氷の世界の歌いだしの4小節が、オレンジレンジのラヴ・パレードの歌詞でもぴったり収まることに気が付いた。
窓の外ではリンゴ売り
声をからしてリンゴ売り
きっと誰かがふざけて
リンゴ売りのまねをしているだけなんだろ
(井上陽水「氷の世界」)
明日俺んち来るってさ
君がいきなり言うからさ
こんな時間から掃除
楽しかった今日の帰り道
(ORANGE RANGE「ラヴ・パレード」)
どちらも、「(ン)タタタタタタタ・タタタタタ」のリズムだ。いわゆる七五調である。
井上陽水が氷の世界のリズムに合わせてラヴ・パレードの歌詞を歌っているところを想像してしまった。かなりおもしろい。キザだが、似合わなくもない。むしろ全然ありだ。
逆に、オレンジレンジがラヴ・パレードのリズムで氷の世界を歌っているところを想像するのもかなりよい。オレンジなのかリンゴなのか、しっちゃかめっちゃかである。彼らの歌詞に「リンゴ売り」が出てくることは決してないだろう。いや、「SUSHI食べたい」があるのでぜんぜんありうるか。変化球すぎる。
こんなにもどうでもいいことを考えてしまうなんて、やはりサウナは脳みそを空っぽにしているに違いないと思った。ふだんの思考では到底いたることのない境地だ。同僚の発言は正しかったのだ。
そんなことを考えながらサウナを出てシャワーで汗を流し水風呂に入った。その後露天風呂の椅子で外気浴をし(ここは銭湯なのに露天風呂がついていて最高なのだ)、「今日はなんていい日だったのだろう」と思った。
家に帰ると妻がブルーロックのアニメを見ていたので途中から私も一緒に見た。試合に負けると奨励会みたいなグループから脱落になってしまう残酷なシーンだ(最新話しか見ていないのであまり詳しくない)
私は「展開的にこっちが残りそう」と言ったが、妻は「いや、もう一方のほうが大御所声優だからそっちが残りそう」と言った。アニメのメタ解きって楽しいのだろうか…。
フットサルで始まりサッカーで終わる一日だった。