最近温泉に行った。せっかくなので温泉におけるちょっとエモい瞬間(微エモ)を挙げる。ちなみに微エロだと思ってこの記事を開いたあなたは心が汚れているので温泉に行ったほうがよい。
エモの定義は自分の中で定まっていないが、今のところ、枕草子の「春はあけぼの (中略) いとをかし」の「をかし」のような感じ。
温泉における微エモ
- 温泉街入り口の「歓迎!ようこそ!○○温泉へ」
- 温泉街のおみやげ屋さんの外に置かれている、饅頭を蒸す装置(湯気が出てる)
- 高い割においしくないが立地の良さだけでお客さんが入る、駅前の食事屋さん
- チェックイン時に住所を書かされるときの、質の良いボールペン
- 長いガラスの棒のついた鍵
- 「何かございましたらフロント9番におかけください」
- 部屋に置かれているささやかな量のお菓子(フルセット版は1Fお土産コーナーで買える)
- 和室の奥の狭いスペース(そこで将棋をした場合は激エモ)
- TVをつけると聞いたことのない名前のローカル放送局
- 地方新聞
- 大浴場のすぐに止まるシャワー
- 美肌石鹸(1Fお土産コーナーで買える)
- かかとの角質を落とすやつ(1Fお土産コーナーで買える)
- 「肌すべすべしますねー」「それ、アルカリで溶けてるんだよ」というくだり
- サウナと水風呂の交互浴(1.5往復ぐらいで挫折する)
- 浴場から帰るときに知らない人のスリッパと入れ替わるのがちょっとテンション下がる
- タオルを干す装置
- 水色の固形燃料と、チャッカマンを持つ女将
- 浴衣の着方がいつもわからない(どっちが前かをググる)
- 浴衣の上から着る紺色の羽織ものは風呂上がりに着ると暑い
- 飲み会のあと酔い覚ましに自販機で買う200円の天然水
- 飲み会のあと飲み足りなくて自販機で買う400円のアサヒビール
- 旅館内のおしゃれな名前のカラオケスナック(行かない)
- 旅館で働いてる人はこの地で暮らしているんだなあという思考
- 夕食会場から帰ると布団が敷かれているサプライズ
- 敷布団、ベッドに比べて普通に寝心地が悪い
- 起きたら浴衣がほぼ脱げて裸になっている
- 5時に起きて入る朝風呂(眠い)
- 朝食会場に浴衣で行くか着替えて行くか迷う
- 朝食会場にスリッパで行くか靴で行くか迷う
- 朝食でも固形燃料で温めるやつがあり、お肉かと期待するが、蓋を開けたら湯豆腐でちょっとだけがっかりする(が、おいしい)
- 朝食でも固形燃料で温めるやつがあり、お肉かと期待するが、蓋を開けたらハムと目玉焼きでちょっとだけがっかりする(これは本当にがっかりする)
- お土産屋さんでこれといったものがなく、地名の入ったラングドシャなどを買う
- 駅まで送迎してくれるマイクロバス
カップルで来るか団体で来るかでいろいろバリエーションがありそう。価格帯や築年数によっても変わる。でも、だいたいの微エモは押さえたと思う。温泉とは微エモのあつまりだ。
微エモじゃなくてただの「あるある」じゃないのか?と思ったそこのあなた、正しい。ただ、温泉独自の文化や様式自体にエモはあるのです。わかりますか?我々は「ああ、これが温泉だな。知ってる知ってる」と再確認するために温泉に来るのです。「温泉すげー!」じゃなくて、「ああ、来たな。これこれ」。これぞ、エモであり、をかしである。
エモとはエモーショナルなのであって、直訳すると「感情的」という意味なので守備範囲があまりにも広い。言語化できない良さを表現するのに使ったりもするが、最近「言語化できないのは思考してないのと同じ」というツイートにひどく納得したので、やっぱり言語化したい。温泉における微エモのひとつひとつに対し、エモの具体化を行う必要がある。面倒なので今度やろう。
温泉微エモビンゴを作ったら面白いと思う。野暮だけど。これもそのうちやろう。
ではでは。